
(写真は、内容とはまったく関係ありませんが、オークランドの「ウォーターフロント」の風景です)
キーウィたちはアーリーバード。
本物のキーウィーバードはともかく、NZ人は早起きを苦にしないのだそう。泊まったホテルの前の幹線道路も平日朝は6時台から通勤ラッシュが始まりますし、ホテルの朝食も6:00から食べられます。
というわけで、まだ薄暗い感じの午前7時前。出かける支度を済ませて軽く朝食も食べ、ロビーで待つことしばし。ジャンパーを着たガタイのいい、ちょっと目つきの悪いおっちゃんが私たちの方につかつかと歩み寄り、
「ホビット村に行きたいっていう日本人はあんたたちか?」
イエース。
「はい乗った乗った」
と、促されるまま停めてあったバンに乗りこみます。「ボロい」とまでは言わないまでも、日本なら「結構くたびれた」と言われそうなクルマ。中には「ハーイ、ボクらチリから来たんだ」というフレンドリーな男性2人組。
こうして、NZ滞在中最も長時間行程の一日が始まりました。さあどうする、早くも珍道中の気配。
ラグビー以外でニュージーランドを世界的に有名にしたのは、何と言っても映画『ロード・オブ・ザ・リング』でしょう。ピーター・ジャクソン監督はニュージーランド人で、映画の撮影はすべてニュージーランド国内で行われました。特殊効果を担当したのも、ニュージーランドのスタジオ。あの「中つ国」の風景を作り上げるため、ニュージーランド各地で空前の規模のロケが敢行されたそうです。
もともと私たちは原作の『指輪物語』のファンですが、壮大な作品世界を映像で見事に表現したこの3部作の映画には拍手喝采を送りました。DVDも、公開版とノーカット版の両方、全シリーズ2セットずつ家にあります(当時はまだ結婚してなかったし各自で買っちゃったんですよー)。いつでもお貸ししますので、観たことがないという方はご連絡ください。
NZを訪れるとなれば、是が非にもあの映画のロケ地は訪ねなければ。調べてみると、北島のマタマタという町の近くに「ホビット村」のロケ地があり、撮影当時のセットが今も残されているのだとか。オークランド市内からの日帰り見学ツアーがあるので、日本から早々に申し込みました。せっかくだから、オプションで「ロトルアの地熱地帯」と「ワイトモのツチボタルの洞窟」も一度に回るコースを予約。しかし後から気付いたんですが、これらの名所は互いに(そしてオークランドからも)結構距離が離れているんですね~。
そんなわけで、冒頭に書いたように朝7時前にホテルを出発、というスケジュールになったわけです。
ホテルでピックアップの後、どこかでもっと大型のバスに乗り換えて目的地に向かうのかと思いきや、お迎えに来てくれたバンでマタマタまで直行する模様!しかも、あのちょっとコワモテのおっちゃん(Andyという名前であることが判明)が運転手兼ガイド!
バンが発進するなり、しゃがれた声で「オークランドは国内最大の都市で人口120万人」とか、「これから向かう地域は世界有数の酪農地帯」とかの観光案内が始まるんですが、これがかなーり訛りのきついキーウィ・イングリッシュで、乏しい英語ヒアリング能力では聞き取るのに一苦労なのです。
それでも一生懸命、ところどころ相槌打ったりしていた私は真面目な日本人。後ろの席のチリアン・ボーイズ(一人は明らかに中年だったけど)はさっさとお休みになってしまったようで、途中から軽いいびきが聞こえてきました。なーんだ、そんなに緊張しなくてもよかったんだ…
それにしても、Andyの道中ガイド内容はなかなか興味深かったです。「ゴルフ場では、フェアウェイの芝を刈る代わりにああやって羊を放牧して草を食べさせているんだ。維持費が安く上がるだろ?」とか、「羊はみんな白いわけじゃなくて、あんなふうに黒いのもいる。黒羊の羊毛はどんなに漂泊しても白くはならんよ」とか、「今すれ違ったあのトレーラーはミルクタンクだ」とか、どうでもいいことだけど旅行者には面白いという類の情報をタイミング良く発してくれるのです…にこりともせずに。ぶっきらぼうなキャラクターとは無関係に、ガイドとしては大変に親切で面倒見のいい人なんですよ。
で、マタマタの町のカフェテリアでちょっと休憩した後、一旦そのコワモテAndyと別れ、我々二人は町のインフォメーション・センターでホビット村ロケ地見学のための別のバスに乗り換えました。
これは後から分かったことなんですが、実はAndyは全行程のガイドをしてくれるわけではなく、我々ツアー客は各地のツアーの間をリレーされていくような仕組みだったのです。つまり、オークランドからマタマタまではAndyが運転、ロケ地ツアーは現地ツアー会社が担当、そこからロトルアまではまた別の運転手、ロトルアでAndyに再会して、そのあとワイトモはまた別のガイド…というように。 最初はこのシステムがよく飲み込めなかったのですが、Andyは「ともかくロケ地の観光が終わったら、Benという奴があんたたちをロトルアまで乗せてくれるから心配するな。そこで私と合流してランチを食べよう」と、都合3回くらい念を押してくれました。
親切な人なのです。
さて、いよいよ