ちゃんとしたご報告が遅くなってしまいましたが、そんなわけで長野マラソン、走ってきました。
ちなみにその後、史上最強級の筋肉痛に襲われましたが、他には怪我もなく、体調も崩しておらず、元気一杯ですのでご心配なく!
既に書いたとおり、春先に貧血で1ヶ月以上走るのを休んでしまったので、今回は最初からフル完走できるとは思っていませんでした。本来はスタートラインに立つ以上は完走を目指すべきなのですが、そんな事情なので、なるべく無理をしないで楽しむことを目標にしました。
当日のお天気は笑ってしまうほどの快晴。気温もスタート時(8時半)ですでに15度以上と、マラソンのコンディションとしては暑いくらいの陽気です。
もっとも、私のようにスピードのない「底辺」ランナーにとっては、寒かったり雨だったりするよりは暑いほうがよほどありがたいです。
いや~、今回ほど色々な意味で「ありがたい」と思ったレースはありませんでした。
柄にもなく、本心から「走れるって本当にありがたいなあ」としみじみ思いました。
前日、善光寺にお参りをしたとき、知人で病気をされている方が何人かいらっしゃるので、その方の快癒をお祈りしながら回向柱に触ってきました。
パートナーとも、「色々な理由で、走りたくても走れない、走るどころじゃない、という人がたくさんいるんだよね」と話し合ったりしていました。
まったく、このご時勢、趣味で長野までマラソンを走りに行けるなんて贅沢なことです。
そんなことを思いながら、ぴかぴかの青空の下、スタートの号砲を待っていたら、アナウンスでゲストランナーの紹介がありました。
今年の長野マラソンはQちゃんこと高橋尚子さんがスペシャルゲストに決まっていたので、彼女を一目見られるかもしれない、というのがとても楽しみだったのです。そうしたら、そのQちゃんがスターターを務めるというではありませんか。しかも、マイクを通じてスタート前に彼女から参加者へ激励のスピーチが。
不覚にも、まったく唐突に涙が溢れてきました。
Qちゃんの明るい、楽しげな、シンプルでストレートな話ぶりを聞いていたら、自然と泣けてきちゃったのです。自分でもちょっと気持ち昂ぶりすぎ?とは思ったのですが、もう素直に、とにかく嬉しかったんですよ(笑)。今後辛いことがあったら、「私はあの日Qちゃんに激励された一人なんだぞ」と思うことにしよう(笑)。
Qちゃんスタート地点でずっと我々に手を振っていたのですが、その後ほぼ最後尾からスタートし、そのままランナーを激励しつつ7キロ地点くらいまで走ったようです。私もスタート後しばらくして抜かれました。彼女にとってはジョギングペースでしょうが、速いこと速いこと!爽やかな風のようでした…美しいランニングフォームで、後姿には後光が差してました。やれありがたや~、って感じです(笑)。
調子は序盤からすこぶるよく、とても気持ちよく走れました。序盤の5kmは、スタートロスを抜いて32分くらいのペース。本当はもう少しゆっくり走るつもりだったのですが、どうせ最後まで走るわけじゃないし、気持ちいいと思えるペースで走ろうと思いなおして、そのペースを維持することにしました。
で、結局ほぼこのペースのまま30km走ってしまったんです。
半分まで行ければ上出来、その後も走れるようならもうけもの、くらいに考えていましたが、走っていて予想以上に気持ちよく、途中で「ひょっとして完走できちゃうかも?」と思うくらいでした。こんなに気持ちよく楽に走れた大会は初めてです。
貧血の症状が出るのが一番心配だったのですが、幸い呼吸はまったく問題ありませんでした。ただ、練習を再開してから10km以上の距離を走ったことがなかったので、25km過ぎからはさすがに脚が痛くなってきました。
無理して故障したら意味がないので、32km地点まで走り、そこから3kmほど歩いて、35km地点で係員の方に「リタイア」を申し出て、棄権者収容者のバスに乗りました。
きっと、えらく元気で嬉しそうな不思議な棄権者だったと思います(笑)。もちろん、残り7kmでのリタイアは悔しくなかったわけではないんですが、満足感の方が大きかったです。
それに、35km地点から、ゴール会場のオリンピック記念競技場が見えたんですよ。その景色が見た瞬間、大丈夫、悔いなく終えられる、と確信して足を止めました。
32km地点でのタイムは3時間28分40秒。ほぼキロ6分半のペースです。このペースで30km過ぎまで走れたことは、大きな自信になりました。
一応、自分としては今シーズンはこの大会で一区切りで、秋までは大きな大会などに出る予定はないのですが、結果的にとてもいい締めくくりになりました。
最初にも書きましたが、今回は本当に、走っている間中ずっと「走れるってなんてありがたいんだ」と思っていました。体中が、「わーい走ってるよ!」ってはしゃいでいる感じ(笑)。多分、相当ハイになっていたんだと思います。その意味でも、そのまま調子に乗ってゴールまで突っ走らなくてよかったです。
健康とはありがたい。晴れたのもありがたい。大会主催者とボランティアの方々も本当にありがたい(この大会はスタッフも運営も実に素晴らしい!)。沿道の応援もありがたい。Qちゃんの応援も泣いてしまうほど嬉しくてありがたかったし、前日にお参りした善光寺さんとお上人様もありがたさに満ち溢れていました。
心配しつつも応援してくれたパートナーの存在もありがたかったです。彼は見事、目標の4時間半をクリアしました。色々納得がいかなかった部分もあるようですが、ひとまずおめでとう。
というわけで、「ありがた尽くし」の長野マラソンでした。さすが、ご開帳の年のマラソンは一味違う!(のかな?)