おかげさまで、9月17日の夕方、無事にニュージーランドから帰国しました。
早春の南半球の気温に慣れてしまって、東京の猛暑にややぐったりしていますが、楽しい休日をたっぷりと過ごしてきたのだから、明日からまた頑張って働きます!
ニュージーランド。今回の旅行を通じてこの国は、私達にとって単なる美しい観光地というだけではない、特別な土地になりました。わずか8日間ではありましたが、人生の大切な瞬間を過ごしてきたのだと思っています。
いや、本当を言うと、そんな大げさなものではなく、もっと普通の、自分の毎日の生活の中に、ちょっとだけNZが入り込んだような気がしています。
ラグビーワールドカップという特別な祭典を観に行くのが当初の旅の目的で、もちろんそれは十二分に満喫したのですが、そういうお祭りの部分ではない普段の生活についても、意外なほどしっくりと自分に馴染みそうな気がしました。つまり、「今すぐここに移住しても暮らせるな」という感覚があったのです。実際、今この瞬間にも自分の片割れがオークランドの街でコーヒーを飲んでいるような気がします。
旅行者特有の錯覚かもしれません。でも、それでもいいんです。「NZにいたかもしれない自分」を感じながら東京の街で生きていくことは、そう悪いことではないような気がします。
旅行の詳しい話はおいおいブログにアップしていこうと思いますが、まずはさわりだけ。
これは、今回滞在したホテルから徒歩1分の鉄道の駅。Greenlaneというところです。
オークランドの中心街にあるBritmart駅からわずか3駅しか離れていませんが、ご覧のとおりの無人駅で、改札すらありません。道路から直接ホームに降りて行きます。運賃は、乗車後に巡回してくる車掌さんに払うのです。
私達の中で、ここが、「NZの最寄り駅」です。
これは、シルバーファーンというシダ。ラグビーのNZ代表チーム(そしてもちろん世界最強のチーム)、「オールブラックス」のエンブレムにもなっている植物です。
NZは本当に緑の豊かな土地でした。日本と比べてはるかに人口が少ないのだから、土地が広いのは当然なのですが、住んでいる人々は自然豊かなこの景観を、当然のものというよりは、むしろとても貴重なものと考えているようでした。
ガイドさんに聞いた話ですが、渋滞が頻繁に起こる幹線道路を拡張しようという案に世論が反対したのだそうです。便利にするために道を広げるより、周りの緑を守ろうよ、と。そして結局道は拡張されず、相変わらず人々は豊かな自然の中で渋滞を我慢しているのだそうです(実際、ワールドカップ期間中ということもあるのでしょうが、市内の幹線道路は時間帯によってはかなり渋滞します)。
一方で、もともと毛皮を目的にオーストラリアから輸入したオポッサムという動物は樹木の伝染病の媒介となるので害獣とみなし、徹底的に駆除しているようです。運転中に見かけたら牽き殺すべし、というお達しがあるのだとか。なんというか、一筋縄ではいかない、面白い国民性です。
人々は本当にあたたかく、のんびりとしています。どこでも必ず「どこから来たの?日本?ラグビーの応援に?」と聞かれました。そして「オールブラックスとの試合を観るんだよ」と答えると、必ず「試合を楽しんでね」「接戦になるといいね」といった、「上から目線」の回答になるのがまたご愛嬌。実際、それ以外に答えようがないだろうなあ…。オールブラックス戦は、結局接戦とは程遠く、惨敗と言っていい内容でしたが、それでも楽しかったのは、NZという土地の力だったのかもしれません。
名残惜しくて、帰るのが淋しくて、今すぐにも戻りたいような気がしているニュージーランド。
でも、老後はともかく(えっ?)、ひとまず私達は日本で、日本国民として暮らしていくのだから、今いるこの国を、少しでもよくしていかなきゃ。その際、たとえばNZに学べることは結構たくさんあるのではないかと思うのです。
ちなみにNZには原発はありません。ひとまずこれから、
「さようなら原発1000万人アクション」 に参加してきます。