日曜日、久しぶりに府中競馬場まで出かけました。
天皇賞・春は、日本の全レースの中で最も好きなレースのひとつ。
それでも、今年はさすがにトーンダウンしました。
愛してやまない我がチャクラ君は、現在かなり不調で、
まあとてもじゃないけどG1ではちょっと期待できそうにありません。
それに加えて、今年は1頭「バケモノ」が出てきたんですから、
馬券を買ってみようというレースじゃありませんよ。観るだけですよ。
とか言いながらも、結局なんだかんだで出かけてしまったのは、
ひとつにはこの仔が府中で出走していたせい。
マヤノトップガン産駒のトウキュウトップです。
素質はかなりのものを持っていると、結構期待している1頭なのです。
生で走るところを観たことがなかったので、チャンスと思って出かけました。
結果は…かなり期待したのに、いいところなく14着…。
ま、大体いつもこんなもんなんですよ、私の競馬は(涙)。
それでも、写真を見ていただければ分かるとおり、
この日は素晴らしいお天気で、「出かけて正解!」という感じでした。
暑からず寒からず、湿気もなく、程よく風も吹いている。
こういう日にパドックで飲むビールは最高です(笑)。
肴は、いつもは競馬場売店の「串カツ」がお供なのですが、
この日はラーメンを食べてしまったのでお腹一杯。
天皇賞の時間が近づくと、開催場所でない府中競馬場も、
一種異様な雰囲気に包まれてきました。
コースの向こうの大きなターフビジョンにディープインパクトが映るたびに、
競馬場全体が期待のため息を漏らしているかのようです。
レースは、今さら私が書くようなことは何もないくらい、
とにかくとにかくディープが強かった…。
あれはもはやサラブレッドじゃないですね。
何か、ダーウィンの進化論を無視して一気に100年くらい進化してしまった、
そんな異次元の生物という感じがします。
ショックだったのは、ディープインパクトがレコードタイムで楽勝してしまったこと。
それまでの天皇賞・春のレコードタイムというのは、1997年に、
マヤノトップガンがマークした3分14秒4だったのです。
これは当時から驚異の世界レコードと言われていて、
まあまず当分は破られはしないだろう、というタイムでした。
それをあの「空飛ぶ馬」は、100%の力を出し切らないままの楽勝で、
なんと丸々1秒も更新してしまったのです。
なんというか。
それは、大げさに言うならば、私が今まで愛してきた競馬が
「過去のもの」になってしまった瞬間でした。
多分、サラブレッドの歴史はBCとADのように、
「ディープ以前」と「ディープ以後」で語られるようになるのではないか。
そんな感じさえする勝利でした。
ディープのあまりの強さに少々打ちのめされたような気分になりながら、
府中競馬場を後にして家路についたのでした。
唯一のお土産は、期間限定のモルツ「ディープインパクト缶」。
もちろん、中身はパドックで空にしました(笑)。
えっ、馬券?当ててるわけないじゃないですか…。
(誰が買うか、ディープ→リンカーンの馬単なんて!)
えっ、チャクラ?…17頭立ての16着でございました…。
(もうチャクラに残された道は障害レースしかないかも…)
ちなみに、画面を見る限りは京都競馬場もいいお天気に見えました。
ディープは「晴れ男」。天をも味方につけている馬です。
いや、そもそも天から降りてきた馬なのかもしれません。